<< 中世史についての関心(2010/11年調査余滴1) | main | 今年のセンター試験世界史、雑感 >>

Tudors, Tudors!(2010/11年調査余滴2)

0
     前投稿の中世史への関心は、今のイギリスのひとたちの歴史への関心のトップではありません。とっぷはおそらく、なんと言っても「チューダーズ」。昨年から放送が始まった歴史テレビドラマで、もういくつかのシリーズが出ています(しかし、どうやらヘンリー8世だけでシリーズは終わるらしいです。お子さんたちのことは扱わないらしい)。

     いわば日本の歴史大河ドラマみたいな人気(あるいはもっとかもしれません。大変ポピュラーらしいです)。本やの棚はテューダー期のさまざまな解説から、「テューダーさんちのひとたち」の解説やらであふれています。もし近世を専攻していたら、あと一箱、本を送らなければならなかったでしょう。

     ヘンリー8世といえば、スキャンダルの帝王でもあるし、宗教改革によってこの国の現在の土台の半分を作ったひとでもある。いろいろな角度から描くことができるひとです。また主役の俳優がイケメン(ってことは、実は、肖像画には似てない。第一面長だもの)。

     日本でも去年の秋からケーブルテレビで放送され、11月末には吹き替え版の放送も始まっていました。演出が「濃い」ので、わたくしはパスしましたが。人間ドラマとしても楽しめるところが、かえってちょっと、なんだか、つらくって。

     テューダー期は、国事はもちろん、個人についても、中世とは比べものにならないくらい史料が豊富なので、王家のひとびとだけでなく、それを取り巻く貴族から、侍女など半分創作上の人物まで、歴史考証もかなりしっかりしたものらしいです。

     研究書(かどうかわからないものも含めて)のテーマもかなり分岐していて、これからテューダー期を扱おうというひとも、もういちど見直してみようというひとも、当面、読む本に困ることはないでしょう。

     テューダー期といえば、文化史的にも、イギリスのルネッサンスが花開いた時期ですから、コスチュームからアクセサリーから生活物品まで、画面はかなりきらびやかです。(しかし、もうちょっと肖像画に似た俳優は選べなかったのか?最初の王妃アラゴンのキャサリンが漆黒のたっぷりした髪で出てきたときには、正直、参りました。まあ、今の俳優でほほがふっくらした人を探すのは無理なのかもしれないけれども・・・)


     去年初回シリーズが始まったときの人気はすごかったようです。イギリスはもともと家族・ご近所ドラマの好きなひとが多い国ですが、これはEast Enders の対極バージョンかい、と言いたいくらいの、なんか、ポッシュなご近所のおうちの中のドラマを見るみたいな感覚のようだった。

     この人気は今も続いていて、で、好機と捉えた研究者から、チャンスと捉えた歴史作家まで、こぞってこの一年に本を書いた。前投稿の中世への関心が、おいしいけれども一人で食べるランチのサンドイッチなら、こちらは、友人と楽しむ豪華ディナーくらい、ある意味でランクが上です。

     中世の名もない庶民が脚にゲートル巻いて耕しているところも懐かしいけれども、宮廷の豪華な衣装のバンケットだのなんだのはもっとすごい。みたいな。


     日本でも人気のようで、もう吹き替え版のDVDが発売になっているはずです。地上派デジタルでもそのうち放送が始まるかもしれません。関心のある方は、いちど御覧になってはいかがでしょう。

    コメント
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    トラックバック
    calendar
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930     
    << September 2019 >>
    selected entries
    categories
    archives
    recent comment
    links
    profile
    search this site.
    others
    mobile
    qrcode
    powered
    無料ブログ作成サービス JUGEM